国家公務員試験の一般職とは?行政区分と試験の流れ

国家公務員試験の一般職の区分と試験の流れを解説する記事のアイキャッチ

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『国家公務員試験の一般職を受けたいけど、行政区分とか教養区分とか、どれで受ければいいの?』と迷っていませんか。

結論から言うと、一般職は政策の実行やフォローアップを担う職員の試験で、大学生の多くは行政区分・技術系区分・教養区分のどれかで受けることになります。

この記事では、一般職の試験の流れと、自分に合う区分の選び方が分かります。

目次

国家公務員試験の一般職とは?

先に結論

一般職試験は、政策の実行やフォローアップなどに関する事務を担う係員を採用する試験です。大卒程度試験・高卒者試験・社会人試験(係員級)の3つがあります。

国家公務員試験の一般職は、人事院が行う4種類の試験の1つです。

総合職が政策の企画立案を担うのに対して、一般職は決まった政策を実際に動かしていく役割、と人事院は説明しています。

一般職試験の種類どんな人向けか(2026年度)
大卒程度試験1996年4月2日から2005年4月1日生まれなど。学歴は問わない
高卒者試験高校卒業後2年以内の人と卒業見込みの人など
社会人試験(係員級)1986年4月2日以降生まれで、高卒者試験の受験期間を過ぎた人

この記事では、受ける人がいちばん多い大卒程度試験を中心に紹介します。2025年度の申込者数は25,437人でした。

区分は11、行政区分と教養区分は地域別です

2026年度(令和8年度)の大卒程度試験の区分は、行政、デジタル・電気・電子、機械、土木、建築、物理、化学、農学、農業農村工学、林学、教養の11です。

国家公務員試験の行政区分と教養区分は、全国を9つの地域に分けた地域別の試験になっています。

地域行政区分の採用予定数(2026年度)
北海道約170名
東北約250名
関東甲信越約680名
東海北陸約300名
近畿約380名
中国約220名
四国約110名
九州約310名
沖縄約75名
本府省約770名

採用予定数は2026年2月時点の見込みで、過去の合格者名簿からの採用も含みます。本府省への採用はどの地域の合格者からもでき、中心は関東甲信越地域からの採用です。

地域と本府省は両方希望できます

本府省を希望するかどうかで、申込み方法や試験の中身は変わりません。地域の官署と本府省の両方を希望でき、ほとんどの本府省は東京で官庁訪問を受け付けています。

総合職との違いは国家公務員試験の総合職と一般職の違いで詳しく比べています。

高卒者試験と社会人試験も「一般職」です

国家公務員試験の一般というと大卒程度を思い浮かべがちですが、高卒者試験と社会人試験(係員級)も一般職試験です。

2026年度の高卒者試験は、事務・技術・農業土木・林業の区分で行われ、農業区分は休止でした。第1次試験は9月6日(日)で、事務区分の採用予定数は関東甲信越が約790名ともっとも多くなっています。

社会人試験(係員級)は年度によって区分が休止されます。2026年度は事務区分が休止で、技術区分と農業土木区分だけの実施でした。

行政区分・技術系区分・教養区分、どれで受ける?

先に結論

専攻が理系なら技術系区分、文系や専攻にこだわらない人は行政区分、専門科目の勉強より早めの受験を優先したい人は教養区分が候補です。同じ年度に教養区分とほかの区分は併願できません。

ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。

『行政区分しかないと思っていた』という方も多いはずです。実は一般職には、専攻や準備の進み具合に合わせて選べる区分がそろっているんです。

専攻と準備の状況で選ぶ判断表

あなたの状況候補の区分理由
法学部・経済学部など文系で、専門科目を勉強している行政区分16科目から8科目を選んで解ける
工学・理学・農学など理系の専攻技術系区分(デジタル・電気・電子、機械、土木など)専攻の知識を専門試験で活かせる
大学3年生で、専門科目の勉強をまだ始めていない教養区分専門試験がなく、20歳以上なら受けられる
文系だけど、専門科目を一から学ぶ時間が取れない教養区分基礎能力・課題対応能力・論文で勝負できる
大学4年生・既卒で、専門科目の準備ができている行政区分か技術系区分名簿は5年有効

例えば、こんな会話になることもありますよね。

「文学部だから、一般職は無理かと思ってた」
「行政区分なら心理学や英語も選べるし、教養区分という手もあるよ」

3つの区分をくわしく比べると

比べるところ行政区分技術系区分(建築以外)教養区分
専門試験多肢選択式40題多肢選択式40題と記述式1題なし
論文一般論文試験なし一般教養論文試験
そのほかなしなし課題対応能力試験
採用の地域9地域と本府省区分ごとに採用予定のある機関の所在地9地域と本府省
受けられる人1996年4月2日から2005年4月1日生まれなど同じ1996年4月2日から2006年4月1日生まれなど
名簿の有効期間5年5年6年
教養区分はほかの区分と同時に受けられません

同じ年度の一般職(大卒程度)では、教養区分とそれ以外の区分の第1次試験日が同じです。教養区分を大学3年生で受けた場合、採用はおおむね2028年4月になります。

技術系区分の試験と採用予定数

技術系区分(建築以外)は、基礎能力試験(2/9)、専門試験の多肢選択式40題・3時間(4/9)、専門試験の記述式1題・1時間(1/9)、人物試験(2/9)で合否が決まります。建築区分は、多肢選択式33題と建築設計製図の記述式で構成されています。

技術系区分採用予定数(2026年度の見込み)
デジタル・電気・電子約290名
機械約170名
土木約350名
建築約80名
物理・化学各約160名
農学約210名
農業農村工学約40名
林学約130名

技術系区分は地域別ではなく、区分ごとに採用予定のある機関の所在地で採用されます。働く場所の希望がある方は、受験案内の採用予定機関を見ておきましょう。

行政区分・技術系区分・教養区分を専攻と準備の状況から選ぶ判断表の図解

一般職の試験の流れと中身

先に結論

2026年度の一般職(大卒程度)は、2月19日から申込受付、5月31日に第1次試験、7月に第2次試験の人物試験、8月12日に最終合格発表という流れでした。

国家公務員試験の一般職試験は、春に申し込んで初夏に筆記、夏に面接という流れです。2026年度の日程を見てみましょう。

段階日程(2026年度)
受験案内の公表2月2日
申込受付2月19日(木)9時から3月23日(月)
第1次試験5月31日(日)
第1次合格発表6月24日(水)
官庁訪問7月2日から(予約は6月25日9時から)
第2次試験(人物試験)7月8日(水)から7月24日(金)
最終合格発表8月12日(水)
内定10月1日以降
採用2027年4月1日

日程は毎年変わるので、最新は人事院の国家公務員試験採用情報NAVIや受験案内で確認してみてください。

申込みで気をつけたいこと

申込み前の確認リスト
  • 申込みはインターネットだけで、「事前登録」と「申込み」の2段階がある
  • 申し込める試験の区分と第1次試験地は1つだけで、あとから変えられない
  • 期限日までに受信が完了したものだけが受け付けられる
  • 受験票はパーソナルレコードからダウンロードして印刷する

事前登録だけでは申込みは終わっていないので、申込受付完了のメールが届いたかまで確かめておきましょう。

2027年は1か月ほど早まります

人事院の発表では、2027年の一般職(大卒程度)の第1次試験は5月2日(日)、最終合格発表は7月上旬です。申込受付期間は2026年11月中旬をめどに公表予定とされています。

行政区分の試験の中身

段階種目中身配点比率
第1次基礎能力試験30題・1時間50分(文章理解10・判断推理7・数的推理4・資料解釈3・時事や情報6)2/9
第1次専門試験(多肢選択式)16科目から8科目を選び40題解答・3時間4/9
第1次一般論文試験1題・1時間1/9
第2次人物試験個別面接(人柄、対人的能力など)2/9

専門試験の16科目は、政治学、行政学、憲法、行政法、民法2科目、ミクロ経済学、マクロ経済学、財政学・経済事情、経営学、国際関係、社会学、心理学、教育学、英語2科目です。

基礎能力試験の進め方は国家公務員試験の基礎能力試験、専門科目の選び方は国家公務員試験の専門試験で詳しく書いています。

教養区分の試験の中身

教養区分は、基礎能力試験(30題・1時間50分)、課題対応能力試験(120題・15分)、一般教養論文試験(1題・1時間20分)、人物試験で合否が決まります。

課題対応能力試験は、置換・照合・計算・分類などを番号順にできるだけ多く解く試験です。間違えた数だけ正解数から減点されるので、速さと正確さの両方が問われます。

2026年度の課題対応能力試験の基準点は、得点の分布をふまえて18点とされました。配点比率は基礎能力試験が4/9、課題対応能力試験が1/9、一般教養論文試験と人物試験がそれぞれ2/9です。

専門試験がないぶん、基礎能力試験の比重が行政区分より大きいんです。教養区分を選ぶなら、文章理解や数的推理をしっかり固めておきましょう。

合格はどう決まる?

合格の決まり方で知っておきたいこと
  • 第1次合格は基礎能力試験と専門試験(多肢選択式)の成績で決まる
  • 論文は第1次合格者だけが採点され、最終合格の判定に使われる
  • 得点は素点ではなく、平均点と標準偏差から出す「標準点」で合計する
  • 多肢選択式の基準点は原則として満点の30%で、1つでも下回ると不合格
  • 人物試験はA〜Eの5段階で、E評価は不合格

最終合格者は、得点の順に採用候補者名簿に載ります。最終合格通知書には得点と席次が書かれているんです。

倍率と、官庁訪問から採用まで

先に結論

2025年度の一般職(大卒程度)の倍率は、申込者数÷最終合格者数で2.9倍でした。ただし行政区分は地域によって差があり、最終合格のあとは官庁訪問で内々定をもらう必要があります。

まずは人事院の実施状況から、全体の数字を見てみましょう。

年度申込者数第1次受験者数最終合格者数申込者数÷最終合格者数第1次受験者数÷最終合格者数
2025年度25,43718,4068,8152.9倍2.1倍
2026年度26,42919,3868,4253.1倍2.3倍

地域によって倍率はかなり違います

2026年度の行政区分の申込者数÷最終合格者数を地域別に見ると、北海道1.7倍、東北2.0倍、中国2.2倍に対して、関東甲信越と近畿は3.5倍でした。

教養区分の合計は4.6倍で、関東甲信越5.4倍、東海北陸8.2倍、近畿8.8倍と高めです。技術系区分の合計は2.4倍でした。

『全体で3倍くらいなら大丈夫』と思っていても、受ける地域と区分で数字は変わります。自分が受ける地域の数字を確かめておきましょう。

最終合格から採用までの流れ

一般職の官庁訪問は、総合職と違って第1次試験の合格発表のあとに始まります。

2026年度の官庁訪問から採用まで
  1. 6月25日9時から官庁訪問の事前予約を始める
  2. 7月2日から官庁訪問に参加する
  3. 7月8日から7月26日は第2次試験の期間で、官庁訪問はお休み
  4. 7月27日から官庁訪問が再開する
  5. 8月12日9時以降に内々定の通知、10月1日以降に内定

内定を受けられるのは1つの省庁だけです。名簿の有効期間内なら、過去の年度の合格者も試験を受け直さずに官庁訪問に参加できます。

採用までの流れは国家公務員試験の採用の流れでくわしく解説しています。

初任給の例

2026年(令和8年)4月1日現在・東京都特別区内勤務の行政職の例で、一般職(大卒程度)は278,400円です。地域手当が支給されない地域では232,000円になります。

一般職(大卒程度)の申込みから官庁訪問・採用までの流れの図解

一般職を受ける人によくある相談

先に結論

よくあるのは「専門試験が4割しか取れなかった、もうだめ?」「大学3年の夏から勉強を始めて間に合う?」「官庁訪問の予約は時間単位でできる?」という相談です。

相談1 教養7割・専門4割、やらかしてしまった……

『専門が低すぎて、もう終わったかも』と落ち込む気持ち、よく分かります。

一般職(大卒程度)の得点は素点ではなく標準点で計算され、多肢選択式の基準点は原則として満点の30%です。人事院は試験ごとに合格点と平均点を公表しているので、発表されたら自分の位置を確かめてみてください。

結果が出るまでは、次の人物試験と官庁訪問の準備を進めておくのがおすすめです。落ち込んで準備を止めてしまうのが、いちばんもったいないんです。

相談2 大学3年の夏から勉強を始めても間に合う?

いつから始めればいいかについて、人事院の公式な目安はありません。

ただ、2027年は第1次試験が5月2日に前倒しされます。

今の大学3年生は、去年の先輩より1か月ほど早く仕上げる必要があると考えておきましょう。専門科目をまだ始めていないなら、教養区分を受けるという選択肢もあります。

相談3 官庁訪問の予約は時間単位でできる?

予約の取り方の細かいルールは省庁によって違います。人事院が示しているのは、2026年度の事前予約が6月25日9時から始まったことです。

遠くに住んでいて訪問開始が遅れても、不利にはならないとされています。

夏の官庁訪問は上着やネクタイがなくても差し支えない、と人事院のQ&Aにあります。予約の方法は、訪問したい省庁の採用ページで確かめてみてください。

独学でいくか、講座を使うか

先に結論

一般職は多肢選択式の割合が大きく、過去問で練習しやすい試験です。一方で、専門科目の初学や論文、面接は人の手を借りると効率が上がりやすいところです。

『一般職なら独学でもいけるかな?』と考える方は多いですよね。人事院は過去の試験問題と正答番号を公開しているので、独学で準備する人もいます。

準備すること独学で進める時のポイント講座が役立つ場面
基礎能力試験過去問で時間配分を練習する数的推理・判断推理の解き方を教わる
専門試験(8科目)選ぶ科目を早めに決める憲法・民法・経済学を初めて学ぶ時
一般論文試験時事のテーマで書く練習をする添削で書き方を直せる
人物試験・官庁訪問志望動機を言葉にしておく模擬面接で受け答えを練習できる

講座を考えたいのはこんな時

講座を検討したいサイン
  • 専門試験の8科目を、どれも初めて学ぶ
  • 一般論文を書いても、良いのか悪いのか判断がつかない
  • 面接の練習相手が身近にいない
  • 2027年の前倒し日程に合わせた計画が立てられない

1つでも当てはまるなら、講座の資料を取り寄せて比べてみるのも手です。全部を任せなくても、論文の添削や面接練習だけを頼むという使い方もありますよ。

講座の一例として、資格スクール大栄の公務員講座には「国家公務員一般職」がコース名に含まれるコースがあります。資料請求や説明会の予約ができるので、志望する区分に対応しているかを確かめてみてください。

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独学で進める方法は国家公務員試験は独学で受かる?で詳しく紹介しています。

一般職の受験案内と問題集を開いて勉強の計画を立てている机の手元写真

旧試験名の「Ⅱ種」で調べていた方は、国家公務員試験の2種・3種・中級・初級は今どうなった?も読んでみてください。

よくある質問

国家公務員試験の一般職は大学を卒業していなくても受けられますか?

受けられます。2026年度の大卒程度試験(教養区分以外)は、1996年4月2日から2005年4月1日生まれなら学歴に関係なく受けられました。

一般職の行政区分で受けると、本府省では働けませんか?

働けます。行政区分は地域別の試験ですが、本府省への採用はどの地域の合格者からも可能です。

一般職の教養区分は何年生から受けられますか?

大学3年生(試験年度の4月1日に20歳になっている人)から受けられます。名簿の有効期間は6年です。

一般職の初任給はいくらですか?

2026年4月1日現在・東京都特別区内勤務の行政職の例で、一般職(大卒程度)は278,400円です。本府省で採用された場合は、手当を含めて287,600円の例が示されています。

一般職と総合職は両方受けられますか?

第1次試験の日が重ならなければ受けられます。2026年度は総合職(春)が3月15日、一般職(大卒程度)が5月31日でした。

まとめ

この記事の要点
  • 一般職は政策の実行やフォローアップを担う職員の試験
  • 大卒程度・高卒者・社会人(係員級)の3つの試験がある
  • 大学生は行政区分・技術系区分・教養区分から専攻と準備の状況で選ぶ
  • 行政区分は地域別で、倍率も地域によって違う
  • 官庁訪問は第1次試験の合格発表のあとに始まる

一般職を目指すなら、まず受ける区分と地域を決めて、2027年の前倒し日程に合わせた計画を立ててみてください。

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国家公務員試験.com 編集部

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