国家公務員試験の総合職と一般職の違い|向いている人と併願

国家公務員試験の総合職と一般職の違いと併願の考え方を解説する記事のアイキャッチ

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『国家公務員試験の総合職と一般職、何が違うのかよく分からない』という方は多いですよね。名前が似ているので、どちらを受けるか決めきれないのも自然なことです。

結論から言うと、いちばんの違いは仕事の役割で、総合職は政策の企画立案、一般職は政策の実行やフォローアップを担います。

この記事を読めば、試験の中身の違いと、両方を併願する時の日程の組み方まで分かります。

目次

国家公務員試験の総合職と一般職の違いを一覧で比べると

先に結論

総合職は「政策をつくる側」、一般職は「政策を動かす側」の職員を採用する試験です。試験の中身では、総合職は第2次試験にも筆記があり、一般職(大卒程度)の第2次は人物試験だけ、という違いがあります。

まずは全体を1つの表で見てみましょう。数字は2026年度(令和8年度)の受験案内と人事院の公表資料にもとづいています。

比べるところ総合職(大卒程度・教養区分以外)一般職(大卒程度・行政区分)
仕事の役割政策の企画及び立案、調査及び研究政策の実行やフォローアップなど
第1次試験日(2026年度)3月15日(日)5月31日(日)
第1次試験基礎能力試験・専門試験(多肢選択式)基礎能力試験・専門試験(多肢選択式)・一般論文試験
第2次試験専門試験(記述式)・政策論文試験・人物試験・英語(加点)人物試験(個別面接)
名簿の有効期間5年5年
初任給の例290,400円278,400円
倍率(2025年度・申込者数÷最終合格者数)9.3倍2.9倍

初任給は2026年(令和8年)4月1日現在・東京都特別区内勤務の行政職の例です。倍率は人事院の「国家公務員採用試験実施状況」の数字です。

『一般職のほうが倍率が低いから受かりやすい』と考えがちですが、試験の種目も採用のされ方も違うので、数字だけで比べないほうがいいですよ。

受ける人と合格する人の数を比べると

規模の違いも見ておきましょう。人事院の実施状況から、2025年度(令和7年度)と2026年度(令和8年度)の数字を並べました。

試験年度申込者数最終合格者数申込者数÷最終合格者数
総合職(大卒程度・教養区分除く)2025年度10,740人1,153人9.3倍
総合職(大卒程度・教養区分除く)2026年度8,078人1,158人7.0倍
一般職(大卒程度)2025年度25,437人8,815人2.9倍
一般職(大卒程度)2026年度26,429人8,425人3.1倍

一般職は最終合格者数が総合職を大きく上回り、そのぶん受ける人も多い試験です。総合職は2025年度から2026年度にかけて申込者数が減り、倍率が9.3倍から7.0倍に下がりました。

1年分の倍率だけで「難しい・やさしい」と決めず、数年分の動きと試験の種目を合わせて見ておくのがおすすめです。どちらの数字も、最新は人事院の公表資料で確認してみてください。

それぞれの試験の詳しい中身は国家公務員試験の総合職とはと国家公務員試験の一般職とはで解説しています。

仕事の役割と、採用されたあとの違い

先に結論

人事院の説明で示されている違いは「政策の企画立案」か「政策の実行やフォローアップ」かです。どちらが向いているかの公式な基準はないので、やりたい仕事から考えるのがいちばんの近道です。

国家公務員試験の総合職と一般職の違いを調べると、いろいろな説明が出てきますよね。

ただ、人事院が公式に書いているのは、職務の違いです。この記事でも、その違いを軸に考えていきます。

総合職で採用されると
  • 政策の企画及び立案を担う
  • 調査及び研究に関する事務を担う
  • 最終合格のあと、官庁訪問を経て各府省に採用される
  • 官庁訪問は最終合格発表のあとに始まる
一般職で採用されると
  • 政策の実行やフォローアップを担う
  • 行政区分は全国9地域の機関か本府省で採用される
  • 本府省の採用は関東甲信越地域からが中心
  • 官庁訪問は第1次試験の合格発表のあとに始まる

一般職は「どの地域で働くか」も選びます

一般職(大卒程度)の行政区分と教養区分は、北海道から沖縄までの9地域に分けた地域別の試験です。

その地域にある機関で採用されるのが基本ですが、本府省への採用はどの地域の合格者からもできます。地域の官署と本府省の両方を希望することもできるんです。

例えば、こんな会話になることもありますよね。

「地元の九州で働きたいけど、本府省にも少し興味がある」
「一般職なら九州地域で受けて、両方を希望できるよ」

採用されるまでの流れも少し違います

どちらも最終合格がそのまま採用になるわけではなく、官庁訪問を経て採用が決まります。ただ、官庁訪問が始まるタイミングが違うんです。

比べるところ総合職(春)一般職(大卒程度)
官庁訪問の始まり最終合格発表のあと(2026年度は6月10日から)第1次試験の合格発表のあと(2026年度は7月2日から)
進み方第1から第4までのクールに分かれる第2次試験の期間(7月8日から26日)は官庁訪問が止まる
内々定2026年度は6月22日15時以降2026年度は8月12日9時以降

内定はどちらも10月1日以降に解禁され、受けられるのは1つの省庁だけです。複数の内々定をもらったら、志望度の低い省庁には早めに辞退を伝えるよう人事院も呼びかけています。

学年の早いうちに受けられる「教養区分」の違い

比べるところ総合職 教養区分一般職 教養区分
受けられる時期大学1年生の3月から、春と秋の年2回大学3年生(20歳以上)から
専門試験なし(総合論文・企画提案など)なし(課題対応能力試験など)
名簿の有効期間7年6年

教養区分は、同じ年度の一般職の他の区分と第1次試験日が同じなので、一般職の中では併願できません。総合職の教養区分と一般職の教養区分を、学年をずらして受けるという考え方もありますね。

自分に合うのはどちら?考えるためのチェックリスト

どちらが向いているかは、人事院も示していません。なので、この記事では「やりたい仕事」から考える質問を用意しました。

総合職を考えたい人の質問
  • 法律や予算、制度をつくる段階に関わりたい
  • 調べて考えたことを文章にまとめるのが苦にならない
  • 記述式の専門試験や政策論文の準備に時間を割ける
  • 区分の専攻(法律・経済・工学など)を仕事で活かしたい
一般職を考えたい人の質問
  • 決まった政策を実際に動かす仕事に関わりたい
  • 働きたい地域がある程度決まっている
  • 第1次試験で専門試験を40題解く準備ができる
  • 地域の官署と本府省の両方を候補にしたい

どちらにも当てはまるなら、両方を受ける併願も選択肢です。

試験の中身はここが違います

先に結論

どちらも基礎能力試験は30題ですが、解答時間は総合職が2時間20分、一般職(大卒程度)が1時間50分です。総合職は第2次に記述式の専門試験と政策論文があり、一般職は第1次に一般論文試験があります。

『試験科目って、総合職と一般職でどれくらい違うの?』と気になりますよね。2026年度の受験案内をもとに並べてみました。

種目総合職(大卒程度)一般職(大卒程度・行政区分)
基礎能力試験30題・2時間20分(配点2/15)30題・1時間50分(配点2/9)
専門試験(多肢選択式)40題・3時間30分(配点3/15)80題出題40題解答・3時間(配点4/9)
論文政策論文試験 1題・2時間(第2次・2/15)一般論文試験 1題・1時間(第1次・1/9)
専門試験(記述式)2題・3時間(第2次・5/15)なし
人物試験個別面接(3/15)個別面接(2/9)
英語外部試験のスコアで15点か25点を加算なし

専門試験の選び方にも違いがあります

一般職(大卒程度)の行政区分は、政治学や憲法、ミクロ経済学、心理学、英語など16科目から8科目を選んで40題を解きます。

総合職は区分ごとに中身が決まっていて、例えば法律区分は憲法・行政法・民法の計31題が必須です。専攻に合った区分を選ぶ試験、と考えると分かりやすいですね。

基礎能力試験の中身も少し違います

基礎能力試験は、どちらも知能24題と知識6題の30題です。知識分野は時事と情報の問題が中心になっています。

一般職(大卒程度)の知能分野は、文章理解10題、判断推理7題、数的推理4題、資料解釈3題です。総合職は文章理解10題と、判断・数的推理(資料解釈を含む)14題という分け方です。

同じ30題でも、総合職のほうが解答時間が30分長いので、1題にかけられる時間には差があるんです。

一般職の合格の決まり方

一般職(大卒程度)の合格者は、素点ではなく、平均点と標準偏差から出す「標準点」の合計で決まります。

1つの種目で基準点を下回ると不合格

多肢選択式の基準点は原則として満点の30%です。基準点に届かない種目が1つでもあると、ほかの種目が良くても不合格になります。苦手科目を捨てすぎないようにしておきましょう。

教養区分という選び方もあります

総合職にも一般職にも、専門試験を課さない「教養区分」があります。総合職の教養区分は大学1年生の3月から、一般職の教養区分は大学3年生(20歳以上)から受けられます。

併願するなら日程の重なりをカレンダーで確認しましょう

先に結論

2026年度は、総合職(春)の第1次試験が3月15日、一般職(大卒程度)が5月31日で重なっていません。第1次試験日が重ならない年度の日程なら、受験資格を満たす範囲で両方を受けられます。

ここがこの記事の大事なところです。

総合職と一般職を併願する人は、試験だけでなく官庁訪問の時期も含めて、春から夏の予定を一枚にまとめておくと安心です。

2026年度の併願カレンダー

時期総合職(春)一般職(大卒程度)
2月2月2日から24日 申込受付2月19日から申込受付
3月3月15日 第1次試験、30日 第1次合格発表3月23日まで申込受付
4月4月12日 第2次(筆記)、20日から人物試験
5月5月15日まで人物試験、29日 最終合格発表5月31日 第1次試験
6月6月10日から官庁訪問、22日15時以降に内々定解禁6月24日 第1次合格発表、25日から官庁訪問の予約
7月7月2日から官庁訪問、8日から24日 人物試験
8月8月12日 最終合格発表、内々定の通知

見てみると、総合職の官庁訪問が6月、一般職の官庁訪問が7月と、時期がずれているのが分かりますよね。

併願で慌てやすいところ

総合職の最終合格発表(5月29日)の2日後に、一般職の第1次試験(5月31日)があります。総合職の結果を待つ間も、一般職の基礎能力試験と専門試験の準備は止めないようにしておきましょう。

総合職と一般職の2026年度の試験と官庁訪問の時期を並べた併願カレンダーの図解

2027年は春の試験が1か月ほど早まります

人事院は、2027年の春の試験日程を前倒しすると発表しています。

試験2027年の第1次試験日最終合格発表
総合職(春)2月28日(日)5月下旬
専門職(大卒程度)4月25日(日)7月上旬
一般職(大卒程度)5月2日(日)7月上旬

一般職の最終合格発表が7月上旬になるので、内々定の時期も1か月ほど早くなる見込みです。申込受付期間は2026年11月中旬をめどに公表予定とされているので、最新は人事院の国家公務員試験採用情報NAVIで確認してみてください。

年間の日程は国家公務員試験の試験日でまとめています。

受験資格の違いも確認しておきましょう

2026年度の大卒程度試験(教養区分以外)は、どちらも1996年4月2日から2005年4月1日生まれなら学歴に関係なく受けられました。

違いが出るのは、2005年4月2日以降に生まれた人です。総合職は大学(短大を除く)の卒業(見込み)などが条件ですが、一般職は短大や高専の卒業(見込み)でも受けられます。

併願スケジュールの立て方
  1. 総合職と一般職の第1次試験日をカレンダーに書く
  2. 専門職など、ほかに受ける試験の日も書き足す
  3. 第1次試験日が同じ試験がないかを確認する
  4. 官庁訪問の時期と人物試験の時期を書き込む
  5. 一番忙しい月に向けて、面接の準備を前倒しする

総合職と一般職で迷う人によくある相談

先に結論

多いのは「難易度はどのくらい違う?」「本府省に入った場合の仕事の違いは?」「春の総合職に落ちたら一般職は間に合う?」という相談です。公式の情報で言える範囲で答えます。

相談1 一般職と総合職の難易度はどのくらい違う?

『総合職は一般職よりどれくらい難しいの?』という質問は、とてもよく見かけます。

難易度を公式に比べたデータはありません。比べられるのは、倍率と試験の種目です。

2025年度の申込者数÷最終合格者数は、総合職(大卒程度・教養区分除く)が9.3倍、一般職(大卒程度)が2.9倍でした。種目では、総合職は第2次に記述式の専門試験2題と政策論文があるのが大きな違いです。

相談2 本府省に入ると、総合職と一般職で仕事はどう違う?

人事院の説明では、総合職は政策の企画立案、一般職は政策の実行やフォローアップを担います。

ただ、同じ本府省でも、実際にどんな業務を担当するかは府省や部署で違います。気になる府省の業務説明会や官庁訪問で、実際の仕事を聞いてみるのがいちばん確かです。

相談3 春の総合職に落ちたら、一般職は間に合う?

2026年度の日程なら、総合職(春)の第1次合格発表は3月30日、一般職(大卒程度)の第1次試験は5月31日でした。一般職の申込受付は3月23日までなので、総合職の結果が出る前に申し込んでおく必要があります。

『総合職がだめだったら一般職に申し込もう』と考えていると、締め切りを過ぎてしまうんです。併願を考えているなら、最初から両方に申し込んでおきましょう。

ちなみに、一般職(大卒程度)の申込受付は2月19日9時から始まり、期限日までに受信が完了したものだけが受け付けられます。締め切り当日はアクセスが集中しやすいので、余裕をもって済ませておくと安心です。

面接の準備は国家公務員試験の二次試験で詳しく書いています。

独学でいくか、講座を使うか

先に結論

併願では、総合職の記述式・政策論文と、一般職の専門試験40題・一般論文の両方を準備することになります。全部を一人で抱え込まず、どこで手を借りるかを先に決めておくと計画が立てやすくなります。

『両方の対策を独学でやりきれるかな』と不安な方もいますよね。

人事院は過去の試験問題や正答番号を公開しているので、多肢選択式の試験は過去問で練習できます。一方で、書く試験と話す試験は、人に見てもらうほうが直すところが分かりやすいです。

準備すること独学で気をつけたいこと講座が役立つ場面
専門科目の初学範囲が広く、どこから始めるか迷いやすい講義で全体像を先につかめる
記述式・政策論文・一般論文自分の答案の弱点が見えにくい添削で直すところが分かる
人物試験・官庁訪問練習相手が見つかりにくい模擬面接で受け答えを練習できる
併願のスケジュール管理申込締切や前倒し日程を見落としやすい試験日に合わせた計画を立てやすい

講座を選ぶ時は、総合職と一般職の両方に対応しているか、添削や面接練習があるかを資料請求や説明会で確かめてみてください。

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総合職と一般職の違いを仕事の役割・試験・採用の地域で比べた図解

よくある質問

国家公務員試験の総合職と一般職は同じ年に両方受けられますか?

第1次試験の日が重ならなければ受けられます。2026年度は総合職(春)が3月15日、一般職(大卒程度)が5月31日で別の日でした。

総合職と一般職、どちらの初任給が高いですか?

2026年4月1日現在・東京都特別区内勤務の行政職の例で、総合職(大卒程度)が290,400円、一般職(大卒程度)が278,400円です。地域手当がない地域では金額が変わります。

一般職で採用されたら本府省では働けませんか?

働けます。一般職(大卒程度)の行政区分は地域別の試験ですが、本府省への採用はどの地域の合格者からも可能です。

総合職と一般職の名簿の有効期間は違いますか?

教養区分以外は、どちらも5年です。教養区分は、総合職が7年、一般職が6年です(2026年度)。

2027年も総合職と一般職は併願できそうですか?

人事院が発表した2027年の第1次試験日は、総合職(春)が2月28日、一般職(大卒程度)が5月2日で別の日です。申込受付期間はまだ公表されていないので、2026年11月中旬めどの発表を確認してください。

まとめ

この記事の要点
  • 総合職は政策の企画立案、一般職は政策の実行やフォローアップを担う
  • 総合職は第2次に記述式の専門試験と政策論文がある
  • 一般職の行政区分は全国9地域の地域別で、本府省も希望できる
  • 2026年度は第1次試験日が重ならず併願できた
  • 2027年は春の試験が1か月ほど早まる

総合職と一般職で迷ったら、まずは「どんな仕事がしたいか」と「どの地域で働きたいか」を書き出してみてください。

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国家公務員試験.com 編集部

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