国家公務員試験の専門職とは?国税専門官・税務・税関の受け方

国家公務員試験の専門職を働く現場で比べて選ぶ記事のアイキャッチ

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『国税専門官や労働基準監督官って、一般職とは別の試験なの?』と気になっている方も多いですよね。名前は聞くけれど、全体の形がつかみにくい試験です。

結論から言うと、国家公務員試験の専門職は「働く分野が最初から決まっている」採用試験です。人事院が国税専門官・財務専門官・法務省専門職員などをまとめて実施しています。

この記事を読めば、専門職の試験をどんな現場で働くかで比べられて、自分に合う試験の見当がつきます。

目次

国家公務員試験の専門職とは?総合職・一般職との違い

先に結論

専門職試験は、特定の行政分野の専門的な知識が必要な仕事をする職員を採用する試験です。総合職や一般職のように「受かってから省庁を選ぶ」のではなく、受ける時点で働く分野が決まっています。

人事院が行う国家公務員採用試験は、総合職・一般職・専門職・経験者採用の4つです。全体の中での位置づけは国家公務員試験の種類と全体像で確認できます。

一般職と専門職は何が違う?

『一般職と専門職、名前が似ていて違いが分からない』という方もいるはずです。

いちばん大きな違いは、試験を受ける段階で仕事の分野が決まっているかどうかなんです。

例えば、こんな会話を想像してみてください。

「一般職に受かったら、どの省庁で働くの?」
「官庁訪問をしてから決まるよ。国税専門官なら最初から税の仕事だけどね」

一般職(大卒程度)
  • 政策の実行やフォローアップなどの事務をする係員の採用
  • 合格後、官庁訪問で働く省庁を選ぶ
  • 行政区分は全国9地域ごとの試験
専門職(大卒程度)
  • 特定の行政分野の専門的な事務をする職員の採用
  • 受ける試験で働く分野がほぼ決まる
  • 国税専門官なら国税局や税務署など、現場がはっきりしている

一般職の試験の流れは国家公務員試験の一般職でまとめています。

専門職試験の一覧(2026年度(令和8年度))

人事院の試験一覧に載っている専門職試験は次のとおりです。

程度試験
大卒程度皇宮護衛官、刑務官(2026年度新設)、法務省専門職員(人間科学)、財務専門官、国税専門官、食品衛生監視員、労働基準監督官、航空管制官、海上保安官
高卒程度皇宮護衛官、刑務官、入国警備官、税務職員、航空保安大学校学生、気象大学校学生、海上保安大学校学生、海上保安学校学生、海上保安学校学生(特別)

高卒程度の専門職と一般職(高卒者)の違いは高卒で受ける国家公務員試験で詳しく書いています。

どんな現場で働く?専門職試験を4つの分野で分けてみる

先に結論

専門職試験は名前だけ並べると迷いますが、「税とお金」「法務と矯正」「働く人と食の安全」「海と空と護衛」の4つの現場に分けると選びやすくなります。

試験の名前を一つずつ覚えるより、「自分はどんな現場に立ちたいか」から考えるほうが早いですよね。

この記事では、人事院の資料に書かれた仕事の中身をもとに、次の4つの分野に分けてみました。

分野試験(大卒程度)試験(高卒程度)働く現場のイメージ
税とお金国税専門官、財務専門官税務職員国税局・税務署での税務調査や滞納処分など
法務と矯正法務省専門職員(人間科学)、刑務官刑務官、入国警備官少年鑑別所・少年院・保護観察所・刑事施設など
働く人と食の安全労働基準監督官、食品衛生監視員なし働く環境や食の安全に関わる行政の現場
海と空と護衛海上保安官、航空管制官、皇宮護衛官皇宮護衛官、各大学校・学校の学生海上や空港、皇宮警察
国家公務員試験の専門職を働く現場で4つに分けた図解

税とお金の現場

国税専門官は、国税局や税務署の第一線で、税務のスペシャリストとして税務調査や滞納処分などを行う仕事です。

高卒程度の税務職員は、税務大学校の各地方研修所に入校し(全寮制)、約12か月の研修を受けます。そのあと原則として採用地域の税務署などで、国税の調査や徴収などの仕事に就きます。

法務と矯正の現場

法務省専門職員(人間科学)は、3つの仕事に分かれています。

  • 矯正心理専門職:少年鑑別所での鑑別や、刑事施設での受刑者の資質調査など
  • 法務教官:少年院での矯正教育など
  • 保護観察官:地方更生保護委員会や保護観察所での更生保護の仕事

人の立ち直りに関わりたい人には、ここが候補になります。

2026年度からは刑務官にも大卒程度の試験ができました。基礎能力試験・課題論文試験・人物試験に加えて、身体検査・身体測定・体力検査があり、採用候補者名簿の有効期間は1年です。

働く人と食の安全の現場

労働基準監督官と食品衛生監視員は、名前のとおり働く人や食の安全に関わる仕事の試験です。

どちらも大卒程度の試験だけで、高卒程度の試験はありません。仕事の細かい中身は、それぞれの受験案内や所管する省庁の採用ページで確かめてみてください。

専門職試験の受験案内を見比べながら準備する机の様子

海と空と護衛の現場

海上保安官、航空管制官、皇宮護衛官は、勤務する場所の特色がはっきりした試験です。

航空管制官や海上保安官の初任給は、大学校に入校した時点の金額で示されています。学びながら働く形になる点も、ほかの専門職と少し違うところです。

航空管制官は2025年度から、最終合格発表が10月から9月に早まりました。採用候補者名簿の有効期間も1年2か月から1年3か月に延びています。

皇宮護衛官は人事院の専門職試験ですが、問い合わせ先は警察庁の皇宮警察本部です。警察の仕事との関係が気になる方は、受験案内で確認してみてください。

分け方について

この4分類は、試験を選ぶ時の目安としてこの記事で作ったものです。人事院の公式な分類ではないので、気になる試験は受験案内で仕事の中身を確かめてみてください。

国家公務員試験の国税専門官・税務・税関はどう受ける?

先に結論

国税専門官は大卒程度、税務職員は高卒程度の人事院の試験です。一方で、税関だけの専用試験は人事院の試験一覧にはありません。

専門職の中でも、税の仕事に関わる試験は検索されることが多いですよね。ここでは3つを順番に見ていきます。

国税専門官(大卒程度)

国家公務員試験の国税専門官は、2023年度から「国税専門A」と「国税専門B(理工・デジタル系向け)」の2区分になりました。

2025年度からは、人物試験の配点比率が引き上げられています。国税専門A区分の専門試験(多肢選択式)は、必須科目の題数が計16題から4題に減り、選択必須科目が導入されました。

全体の出題数58題・解答題数40題は従来どおりです。

『A区分とB区分、どっちで受ければいいの?』と迷う方もいますよね。B区分は理工・デジタル系向けの区分なので、理系の学部で学んだ人は両方の受験案内を見比べてみるのがおすすめです。

税務職員(高卒程度)

国家公務員試験の税務は、高卒程度なら税務職員の試験が入り口です。

2026年度(令和8年度)の受験案内では、高校などを卒業して3年を経過していない人が対象です。2023年4月1日以降に卒業した人と、卒業見込みの人などが受けられます。

試験種目配点比率
基礎能力試験5/10
適性試験2/10
作文試験合否の判定のみ
人物試験3/10
身体検査主に一般内科系の検査

税務職員の試験は、一般職(高卒者)や社会人試験と第1次試験が同じ日です。この3つは同時に受けられないので注意しておきましょう。

税関で働きたい場合は?

国家公務員試験で税関を目指す方は、ここで少し迷うかもしれません。

人事院の試験一覧には「税関」専用の試験はありません。一般職(高卒者)の技術区分の仕事の例に、税関での専門知識を生かした審査・分析やシステム関連の業務が挙がっています。

事務系で税関に入る道については、今回の公式資料では確認できませんでした。気になる方は、各税関の採用案内を見てみてください。

よくある勘違い

「税関に入るには税関の試験を受ける」と思い込み、受験の機会を逃してしまうケースです。人事院の試験に合格したあとに採用面接などを経て働く形が基本なので、どの試験から採用しているかを先に調べておきましょう。

日程・倍率・初任給を数字で比べる

先に結論

2026年度(令和8年度)の大卒程度の専門職は、5月24日(日)が第1次試験で、8月12日(水)に最終合格発表でした。2027年は4月25日(日)に前倒しされます。

『結局、いつ試験があって、どれくらいの人が受かっているの?』と気になりますよね。ここは数字で見ていきましょう。

2026年度の日程と2027年の変更

2026年度の大卒程度の専門職(国税専門官など)は、2月19日から3月23日まで申込みを受け付けました。

国税専門官の場合、第1次試験の合格発表は6月16日(火)、第2次試験は6月22日から7月9日まででした。

一般職(大卒程度)の第1次試験は5月31日(日)だったので、2026年度は日程が重なっていません。第1次試験の日が同じでなければ、受験資格を満たす範囲で両方受けられます。

2027年は、専門職(大卒程度)の第1次試験が4月25日(日)、一般職(大卒程度)が5月2日(日)に前倒しされると人事院が発表しています。申込期間は2026年11月中旬をめどに公表予定で、2026年10月時点ではまだ出ていません。

国税専門官の2026年度の流れ
  1. 2月19日から3月23日まで、インターネットで申込み
  2. 5月24日(日)に第1次試験
  3. 6月16日(火)に第1次試験の合格発表
  4. 6月22日から7月9日まで第2次試験
  5. 8月12日(水)に最終合格発表

倍率(申込者数÷最終合格者数)

人事院の実施状況では、倍率を「申込者数÷最終合格者数」で出しています。2025年度(令和7年度)の確定値と、最終合格まで終わった2026年度の値を並べました。

試験2025年度2026年度
国税専門官3.1倍2.9倍
財務専門官3.3倍3.6倍
労働基準監督官5.7倍5.3倍
法務省専門職員(人間科学)4.2倍3.8倍
刑務官(大卒程度)なし(2026年度新設)4.2倍
皇宮護衛官(大卒程度)12.8倍9.8倍
食品衛生監視員9.1倍6.3倍
航空管制官5.8倍6.4倍
海上保安官6.3倍5.5倍

採用する人数が少ない試験ほど、倍率が大きく動きやすい点も覚えておきたいところです。高卒程度の税務職員は、2025年度が2.7倍(申込者数÷最終合格者数)でした。

初任給の例

2026年(令和8年)4月1日現在・東京都特別区内勤務の例です。

試験初任給の例
国税専門官318,480円
財務専門官278,400円
労働基準監督官280,440円
法務省専門職員(矯正心理専門職・法務教官)316,320円
刑務官(大卒程度)323,040円
皇宮護衛官(大卒程度)318,720円
食品衛生監視員279,360円
航空管制官(航空保安大学校入校時)257,520円
海上保安官(海上保安大学校入校時)241,280円

勤務地によって地域手当が変わるので、ほかの地域ではこの金額と違ってきます。毎年見直されるので、最新は人事院の受験案内で確認してみてください。

一般職と専門職、併願はどう組み立てる?

先に結論

第1次試験の日が重ならない年度なら、一般職(大卒程度)と専門職を両方受ける組み立てができます。大卒程度の基礎能力試験は一般職も専門職も30題・1時間50分の形なので、勉強の土台は一緒に作れます。

『国税専門官だけに絞るのは不安』という方も多いですよね。実際、一般職と専門職を組み合わせて受ける人は少なくありません。

基礎能力試験は同じ形で準備できる

2024年度から、春の大卒程度試験の基礎能力試験は40題から30題になり、一般職・専門職とも解答時間は1時間50分になりました。

知識分野は時事問題が中心で、情報の問題も出ます。どの試験を受けるにしても、ここは最初に固めておきたい部分です。

併願を考える時のチェック
  • その年度の第1次試験日が重なっていないか確かめた
  • 専門試験の科目が、一般職で選ぶ科目とどれくらい重なるか見た
  • 人物試験の日程が、官庁訪問や他の面接と重ならないか確かめた
  • 最終合格したあとの採用の流れを試験ごとに調べた

独学でいくか、講座を使うか

専門職は、試験ごとに専門試験の中身が違います。大学で学んでいない分野の専門試験に、初めて取り組む人もいるはずです。

講座が役立ちやすいのは、こんな場面です。

  • 専門科目を初めて学ぶので、何から始めればいいか教わりたい
  • 論文や作文を書いても、自分では出来が分からない
  • 人物試験の練習相手がほしい
  • 一般職と専門職の併願スケジュールを一緒に立ててほしい

講座を比べるポイントは予備校・通信講座の選び方で紹介しています。資格スクール大栄の公務員講座には、コース名に「国家公務員一般職」「国税専門官」「法務省専門職員」が入った教養・専門対策のコースがあります。受けたい試験に対応しているかは、資料請求や説明会で確かめてみてください。

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よくある相談:専門職試験の併願と面接

先に結論

専門職試験の相談で多いのは「一般職と併願できるか」「得点や順位は分かるか」「面接で話すことが少ない」の3つです。

Yahoo!知恵袋でよく見られている相談の中から、専門職試験に関わるものを要約して答えます。

相談1:国税専門官と国家一般職は併願できる?

国税専門官と国家公務員一般職の試験を両方受けたいけれど、併願できるのかという相談です。

2026年度(令和8年度)は、国税専門官など大卒程度の専門職の第1次試験が5月24日、一般職(大卒程度)が5月31日で別の日でした。第1次試験日が重ならない年度なら、受験資格を満たす範囲で両方受けられます。

2027年も専門職が4月25日、一般職が5月2日と別の日の予定です。ただし申込期間などはまだ公表されていないので、決まり次第受験案内を確認しておきましょう。

相談2:専門職試験の得点や順位は教えてもらえる?

専門職試験を受けたあと、自分の得点や順位を知ることができるのかという相談です。

人事院はパーソナルレコードで個人の試験結果を確認できる仕組みを用意しています。合格点や平均点も、試験ごとに人事院のページで公表されています。

確認できる期間は試験ごとに決まっているので、受験案内や合格通知に書かれた期間を見逃さないようにしましょう。

相談3:学生時代に話せることがアルバイトとゼミだけでも大丈夫?

国税専門官や国家一般職の面接で、話せる経験がアルバイトとゼミだけでも戦えるのかという相談です。

例えば一般職(大卒程度)の人物試験は、人柄や対人的能力などを見る個別面接です。特別な経験があるかより、その経験の中で何を考えてどう動いたかを自分の言葉で話せるかが大事になります。

「アルバイトで後輩にどう教えたか」
「ゼミの発表で意見が分かれた時にどうまとめたか」

こんなふうに、身近な場面を具体的に話せるよう準備しておくと安心です。国税専門官は2025年度から人物試験の配点比率が上がっているので、面接の準備は早めに始めておきましょう。

専門職試験の併願と面接準備で確かめたいポイントの図解

よくある質問

国家公務員試験の専門職と一般職は何が違いますか?

専門職は特定の行政分野の専門的な事務をする職員の採用試験で、受ける試験で働く分野がほぼ決まります。一般職は政策の実行などに関わる係員の採用試験で、合格後に官庁訪問で省庁を選びます。

国税専門官のA区分とB区分の違いは?

2023年度から国税専門官は「国税専門A」と「国税専門B」の2区分になりました。B区分は理工・デジタル系向けの区分です。

税関の職員になるための専用の試験はありますか?

人事院の試験一覧に税関専用の試験はありません。一般職(高卒者)の技術区分の仕事の例に税関での業務があります。事務系の採用ルートは各税関の採用案内で確認してください。

刑務官の大卒程度試験はいつからありますか?

2026年度(令和8年度)に新設されました。基礎能力試験・課題論文試験・人物試験のほか、身体検査・身体測定・体力検査があります。

専門職試験の倍率はどう見ればいいですか?

人事院の実施状況では「申込者数÷最終合格者数」などで倍率を示しています。採用人数が少ない試験は年度による動きが大きいので、複数年度を並べて見るのがおすすめです。

まとめ

この記事の要点
  • 専門職試験は、働く分野が最初から決まっている人事院の採用試験
  • 「税とお金」「法務と矯正」「働く人と食の安全」「海と空と護衛」の4分野で考えると選びやすい
  • 国税専門官は2023年度からA・Bの2区分、税務職員は高卒程度の入り口
  • 税関専用の人事院の試験はなく、採用ルートは各税関の案内で確認する
  • 2027年は専門職(大卒程度)の第1次試験が4月25日に前倒し
  • 日程や倍率は毎年変わるので、最新は人事院の国家公務員試験採用情報NAVIで確認する

省庁ごとの採用の考え方は国家公務員試験と省庁の選び方もあわせて読んでみてください。

国家公務員試験.com

国家公務員試験.com 編集部

国家公務員試験の種類・受験資格・日程・試験内容・採用までの流れと、勉強法や講座の選び方を、人事院の公開情報をもとに整理している情報サイトです。 公式サイト

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