高卒で受ける国家公務員試験|高卒程度の区分と準備の進め方

高卒で受ける国家公務員試験の区分と準備の進め方を解説する記事のアイキャッチ

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『高校を出てすぐ国家公務員になれるのかな』『大学に行かないと国家公務員試験は無理なのでは』と思っている方も多いですよね。

結論から言うと、高卒で受けられる国家公務員試験はちゃんとあります。中心になるのは人事院の「一般職試験(高卒者試験)」で、ほかにも税務職員や刑務官など高卒程度の試験がいくつもあります。

この記事を読めば、高卒の国家公務員試験で何を受けられて、いつ何をすればいいのかが分かります。

目次

高卒で受けられる国家公務員試験はどれ?

先に結論

高卒の国家公務員試験の柱は「一般職試験(高卒者試験)」です。仕事の分野が決まっている人は、税務職員や刑務官などの専門職の高卒程度試験も選べます。

国家公務員試験というと、大学生が受ける総合職や一般職(大卒程度)を思い浮かべる方が多いはずです。

実は、人事院は高校卒業程度の試験も毎年行っています。試験の全体像は国家公務員試験の種類と全体像にまとめています。

国家公務員試験の高卒程度にはこんな試験があります

人事院の資料で「高校卒業程度」として挙がっている主な試験は次のとおりです。受験資格は試験ごとに違うので、気になる試験は受験案内で確かめてみてください。

試験ポイント
一般職(高卒者)事務・技術などの区分があり、各官署で働く
税務職員税務大学校で約12か月の研修を受けてから税務署などへ
皇宮護衛官(高卒程度)問い合わせ先は警察庁の皇宮警察本部
刑務官(高卒程度)2026年度からは大卒程度の試験も別にできた
入国警備官社会人向けの区分(警備官(社会人))もある
航空保安大学校学生学生として入校する試験
気象大学校学生学生として入校する試験
海上保安大学校学生・海上保安学校学生学生として入校する試験

専門職の試験については国家公務員試験の専門職で詳しく書いています。

「高卒程度」の意味は?

「高卒程度」は、高校卒業レベルの問題が出る試験という意味合いです。

人事院は「大卒程度」について、大学卒業レベルの問題が出るという意味で、学歴そのものの条件ではないと説明しています。ただし、高卒者試験には「卒業してから何年以内」という条件があるので、次の章で確認しておきましょう。

一般職(高卒者)試験の受験資格と区分

先に結論

国家公務員試験の一般職(高卒者)は、高校を卒業して2年以内の人と、卒業見込みの高校3年生が受けられます。区分は事務・技術・農業土木・林業などで、事務と技術は地域ごとの試験です。

ここが大事なところです。高卒者試験には年齢ではなく「卒業してからの年数」の条件があります。

受験資格(2026年度(令和8年度)の受験案内)

対象は、2026年4月1日の時点で高校または中等教育学校を卒業して2年を経過していない人です(2026年度(令和8年度)の受験案内)。

つまり2024(令和6)年4月1日以降に卒業した人と、2027(令和9)年3月までに卒業見込みの人が受けられます。

試験受験資格の目安(2026年度)
一般職(高卒者)卒業後2年を経過していない人(2024年4月1日以降卒業)と卒業見込みの人など
税務職員卒業後3年を経過していない人(2023年4月1日以降卒業)と卒業見込みの人など
一般職(社会人(係員級))1986年4月2日以降生まれで、高卒者試験の期間を過ぎた人など

『高校を出て3年たったらもう受けられないの?』と心配になりますよね。

その場合は、税務職員の期間や社会人試験(係員級)が候補になります。ただ、社会人試験は年度によって区分が休止されることがあり、2026年度は事務区分が休止でした。

また、日本の国籍がない人や、国家公務員法第38条に当てはまる人はどの試験も受けられません。細かい条件は国家公務員試験の受験資格で確認してみてください。

区分と勤務地

2026年度の一般職(高卒者)の区分は、事務・技術・農業・農業土木・林業です(2026年度は農業区分が休止)。

事務と技術は北海道から沖縄までの9地域に分けた地域別の試験です。農業土木と林業の勤務地は全国各地になります。

区分主な仕事のイメージ(受験案内の例)
事務各官署での一般の行政事務
技術管区警察局の情報通信やデジタルシステム、税関での審査・分析、気象台での観測・予報など
農業土木・林業全国各地の機関での技術的な業務

採用予定数も地域ごとに出ています。2026年度の事務区分では、関東甲信越が約790名と一番多く、四国が約20名でした。

地元で働きたいのか、関東甲信越の本府省などを目指すのかで、申し込む地域が変わってきます。

事務と技術、どちらで受ける?

『普通科だから事務しかないのかな』と迷う方もいるはずです。

技術区分などには専門試験があるので、工業や農業の授業で学んだことを生かしたい人に向いています。事務区分は専門試験がないぶん、基礎能力試験と適性試験・作文で勝負する形です。

例えば、こんなふうに考えてみてください。

  • 授業で電気や土木、建築などを学んでいる人は、技術区分の専門試験の範囲を見てみる
  • 農業や林業の授業を受けている人は、農業土木・林業の区分を候補に入れる
  • どの分野にもこだわりがない人は、事務区分で地域を選ぶ

どの区分でも、最終合格したあとに官庁の採用面接がある流れは同じです。

高卒で受けられる国家公務員試験の区分と選び方を整理した図解

試験の中身と日程(2026年度の例)

先に結論

一般職(高卒者)の事務区分は、基礎能力試験・適性試験・作文試験の第1次と、人物試験の第2次で決まります。2026年度は9月6日(日)が第1次試験でした。

『何の科目が出るのか分からないと、勉強の始めようがない』という方も多いはずです。まずは配点の重さから見ておきましょう。

事務区分の試験科目と配点

2026年度(令和8年度)の受験案内では、事務区分の試験は次の形です。

段階試験中身時間配点比率
第1次基礎能力試験40題(知能20:文章理解7・課題処理7・数的処理4・資料解釈2/知識20:自然科学5・人文科学8・社会科学6・情報1)1時間30分4/9
第1次適性試験120題(置換・照合・計算・分類などのスピード検査)15分2/9
第1次作文試験1題50分1/9
第2次人物試験個別面接2/9

技術・農業土木・林業の区分は、適性試験と作文の代わりに専門試験(多肢選択式40題・1時間40分)があります。技術区分は100題の中から40題を選んで解く形です。

基礎能力試験の配点が一番重いので、ここが勉強の中心になります。適性試験は15分で120題なので、慣れが物を言う試験です。

申込みから採用までの流れ

2026年度(令和8年度)の一般職(高卒者)は、こんな日程でした。

2026年度の流れ
  1. 6月12日(金)から6月24日(水)まで、インターネットで申込み
  2. 9月6日(日)に第1次試験
  3. 10月8日(木)に第1次試験の合格発表
  4. 10月14日(水)から10月23日(金)に第2次試験(人物試験)
  5. 11月17日(火)に最終合格発表
  6. 志望する官庁の採用面接を受けて内定、おおむね2027年4月に採用

高卒者試験・社会人試験・税務職員試験は第1次試験が同じ日なので、この3つは同時に受けられません。どれか1つを選ぶことになります。

第1次試験地は、札幌市から那覇市まで全国の多くの都市から1つ選べます。秋の試験の準備は秋に実施される国家公務員試験も参考にしてみてください。

当日の持ち物

受験票はパーソナルレコードからダウンロードして、A4の普通紙に印刷します。写真が必要なので、早めに用意しておきましょう。当日の流れは試験当日の持ち物と時間割にまとめています。

最終合格しても、まだ採用ではありません

ここは高校生がつまずきやすいところです。

最終合格すると「採用候補者名簿」に名前が載り、そこから志望する官庁の採用面接を受けて内定を目指します。名簿の有効期間は1年です。

人事院は、第1次試験の合格発表の前から各機関の業務説明会などで情報を集めておくことを勧めています。

よくある失敗

最終合格の通知が来て安心してしまい、官庁の採用面接の準備が後回しになるケースです。志望する官庁の説明会の日程は、第1次試験の前から調べておきましょう。

初任給の目安

一般職(高卒者)の初任給は240,360円です。2026年(令和8年)4月1日現在・東京都特別区内勤務の例で、俸給月額200,300円に地域手当を加えた額です。

本府省に採用された場合の例は249,560円です。勤務地によって地域手当が変わるので、ほかの地域ではこの金額より低くなります。

高校1年から3年まで、時期ごとにやること

先に結論

高卒の国家公務員試験は、3年生の6月に申込み、9月に第1次試験という流れです。逆算すると、2年生のうちに試験の形を知り、3年生の春までに基礎能力試験の土台を作っておくと動きやすくなります。

国家公務員試験を考える高校生にとって、いつ何をすればいいのかは一番気になるところですよね。

人事院は「何年生から勉強を始めるべきか」という目安は出していません。なのでここでは、公式の日程から逆算して「この時期に終わっていると楽」という順番で並べてみます。

時期やっておきたいこと確認する公式情報
高校1年国家公務員と地方公務員の違いを知る。授業の数学・国語・社会を落とさない人事院の試験一覧
高校2年一般職(高卒者)か税務職員か、受けたい試験を決める。過去問の形式を見てみる人事院が公開している試験問題・正答番号
高校3年の4月から5月基礎能力試験の苦手分野をつぶす。志望する地域を考える前年度の受験案内と採用予定数
高校3年の6月インターネットで申込み(事前登録と申込みの2段階)その年度の受験案内
高校3年の7月から8月適性試験と作文の練習。受験票の写真を用意受験票のダウンロード期間
高校3年の9月から11月第1次試験、第2次の人物試験、志望官庁の採用面接合格者発表専用ページ
卒業から2年以内不合格でも、もう一度高卒者試験を受けられる翌年度の受験案内

1年生・2年生のうちにできること

1年生や2年生のうちは、まだ試験勉強をがっつり始めなくても大丈夫です。

それより、学校の授業をおろそかにしないほうが効きます。基礎能力試験の知識分野は自然科学・人文科学・社会科学から出るので、普段の授業がそのまま土台になるんです。

『部活が忙しくて何もできない』という方もいますよね。そんな時は、週に1回だけ過去問を1題解いて、どんな問題が出るのか眺めるだけでも十分な一歩です。

3年生の春から夏が勝負どころ

3年生になったら、まず6月の申込みを逃さないことが一番です。

申込みは「事前登録」と「申込み」の2段階で、事前登録だけでは申し込んだことになりません。受付期限日までに受信が完了したものだけが受け付けられます。

3年生の6月までに確かめること
  • 受ける試験を1つに決める(高卒者・税務職員・社会人は同じ日)
  • 事務か技術か、どの地域で受けるかを決める
  • 第1次試験地を1つ選ぶ
  • 事前登録と申込みの両方を済ませる
  • 完了通知メールを保存しておく

卒業から2年以内ならチャンスはもう1回

高卒者試験は、卒業後2年を経過していなければ受けられます。

3年生の秋に結果が出なくても、卒業した年にもう一度挑戦できる計算です。浪人して受け直す選択肢があると知っておくだけで、少し気持ちが楽になるはずです。

勉強はどう進める?独学と講座の使い分け

先に結論

人事院は過去の試験問題や正答番号を公開しているので、独学で準備することもできます。苦手科目が多い人や、作文・面接を見てもらいたい人は、講座の力を借りるのも一つの手です。

高卒の国家公務員試験は、大卒程度の試験と違って専門試験がない区分(事務)もあります。そのぶん、基礎能力試験と適性試験の出来が結果を大きく左右します。

科目ごとの進め方の目安

試験進め方のコツ
基礎能力試験(知能)文章理解・課題処理・数的処理は毎日少しずつ解いて慣れる
基礎能力試験(知識)学校の授業の復習を中心に、情報の問題も1題出ることを意識する
適性試験15分で120題の形式に慣れる。誤答は正解数から引かれるので、速さと正確さの両方を練習する
作文試験50分で書き切る練習を数回しておく
人物試験志望理由と、高校生活で力を入れたことを話せるようにする

適性試験は誤答の数だけ正解数から減点される仕組みです。焦って適当に埋めると逆効果になることもあるので、注意しておきましょう。

独学でいくか、講座を使うか

『独学で大丈夫かな、でも講座はお金がかかるし…』と迷う方も多いですよね。

講座が役に立ちやすいのは、例えばこんな場面です。

  • 数的処理や資料解釈が苦手で、解き方を基礎から教わりたい
  • 作文を書いても、自分では良し悪しが判断できない
  • 人物試験や官庁の採用面接の練習相手がいない
  • 部活と両立しながら、いつ何をやるか計画を立てるのが苦手

逆に、学校の成績が安定していて、過去問を自分で進められる人は独学でも準備しやすいです。講座を選ぶ時の比べ方は予備校・通信講座の選び方で紹介しています。

資格スクール大栄の公務員講座には、高校生向けのコースもあります。高卒者試験など、自分が受けたい試験に対応しているかは資料請求や説明会で確かめてみてください。

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よくある相談:高卒の国家公務員試験

先に結論

高卒の国家公務員試験で多い相談は「採用面接の受け方」「何歳まで受けられるか」「勉強時間がとれない」の3つです。どれも公式のルールを知るだけで不安がかなり減ります。

Yahoo!知恵袋で多く見られている相談から、記事のテーマに合うものを要約して答えます。

相談1:1次は合格したけど、官庁の面接がよく分からず1か所しか行っていない

第1次試験に合格したものの、官庁への訪問や面接の仕組みが分からず、勧められた1か所しか受けていないという相談です。

一般職(高卒者)は、最終合格しただけでは採用されません。志望官庁の採用面接を受けて内定をもらう必要があります。

最終合格者の名簿は1年間有効です。1か所で内定が出なくても、採用予定が残っている官庁に問い合わせてみる価値はあります。人事院の各地方事務局が名簿を管理しているので、困ったら相談してみてください。

相談2:国家公務員試験の高卒程度は何歳まで受けられる?

高卒者試験は年齢ではなく「卒業後2年を経過していないか」で決まります。2026年度なら、2024年4月1日以降に卒業した人が対象でした。

税務職員は卒業後3年以内です。その期間を過ぎた40歳未満の人には、社会人試験(係員級)という道もあります。

ただし社会人試験は年度によって休止される区分があるので、受けたい年度の受験案内を確認しておきましょう。

相談3:部活やバイトで、今のところ勉強時間がゼロ

国家公務員試験の高卒程度を受けたいけれど、部活とバイトで勉強できていないという高校生の相談です。

焦る気持ちはよく分かります。でも、基礎能力試験の知識分野は学校の授業の範囲と重なるので、授業をしっかり受けることがそのまま対策になります。

「今日から1日1題だけ数的処理を解く」
「部活が引退したら、過去問を時間を計って解く」

こんなふうに、時期によって量を変える計画にすると続けやすいですよ。

相談を読んで確かめたいこと
  • 最終合格のあとに採用面接があることを知っている
  • 自分の卒業年度で受けられる期間を数えた
  • 部活引退後の勉強の量を決めた
高校1年から3年までの国家公務員試験の準備を時期ごとに並べた図解

よくある質問

高校生でも国家公務員試験を受けられますか?

受けられます。一般職(高卒者)は卒業見込みの高校3年生が対象に入っています。税務職員や刑務官(高卒程度)など、ほかの高卒程度の試験も受験資格を満たせば受けられます。

高卒者試験と税務職員試験は両方受けられますか?

受けられません。一般職(高卒者)・社会人(係員級)・税務職員は第1次試験が同じ日なので、どれか1つを選びます。

大卒の人と高卒の人で、仕事の中身は違いますか?

一般職は、高卒者試験でも大卒程度試験でも政策の実行に関わる係員の採用試験です。配属や仕事は官庁ごとに違うので、業務説明会で聞いてみるのが確実です。

最終合格したら、いつから働けますか?

2026年度の試験なら、おおむね2027年4月の採用です。最終合格のあとに志望官庁の採用面接を受けて内定を得る必要があります。

2022年度や2023年度の情報を見ても大丈夫ですか?

日程や区分は毎年変わるので、2022年度や2023年度の古い情報はそのまま使わないほうが安心です。最新は人事院の国家公務員試験採用情報NAVIで確認してください。

まとめ

この記事の要点
  • 高卒で受けられる国家公務員試験の柱は一般職(高卒者)
  • 受験資格は卒業後2年以内で、年齢ではなく卒業年で決まる
  • 事務区分は基礎能力・適性・作文・人物試験で決まる
  • 2026年度は6月申込み、9月6日に第1次試験、11月に最終合格
  • 最終合格のあと、志望官庁の採用面接で内定を目指す
  • 日程や区分は毎年変わるので、最新は人事院の受験案内で確認する

一般職の全体を知りたい方は国家公務員試験の一般職もあわせて読んでみてください。

国家公務員試験.com

国家公務員試験.com 編集部

国家公務員試験の種類・受験資格・日程・試験内容・採用までの流れと、勉強法や講座の選び方を、人事院の公開情報をもとに整理している情報サイトです。 公式サイト

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