国家公務員試験と人事院|試験を実施する機関の役割

国家公務員試験を実施する人事院の役割を解説する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は編集部が人事院の公式サイトなど公的機関の公開情報と読者の声を調べて独自に執筆しています。当サイトは人事院・各府省の公式サイトではありません。

『国家公務員試験の人事院って、採用を決めるところなの?』『人事院面接と官庁訪問はどう違うの?』と混乱している方も多いですよね。

結論から言うと、人事院は試験を行って合格者を決めるところで、実際に誰を採用するかは各府省が決めます。

この記事を読めば、申込みから採用までの流れの中で、人事院・各府省・受験者がそれぞれ何をするのかが分かります。

目次

人事院は国家公務員試験を行う機関です

先に結論

人事院は、総合職・一般職・専門職・経験者採用の国家公務員採用試験を行い、合格者を決めて採用候補者名簿を作ります。採用するかどうかを決めるのは、名簿を使う各府省です。

人事院のQ&Aでは、人事院が行う国家公務員採用試験は総合職・一般職・専門職・経験者採用の4つと説明されています。

試験のルールは、人事院規則8-18(採用試験)という規則で決められています。

この規則には、採用試験の目的や名称、区分、試験種目などが定められています。

そして試験を行う機関は、試験の告知、申込みの受理、試験の実施、合格者の決定、採用候補者名簿の作成などを行います。

『じゃあ人事院に受かれば採用なの?』と思った方もいるはずです。

実はそこが一番の勘違いポイントなんです。

なぜ試験を人事院が行うの?

人事院の「国家公務員の紹介」では、国家公務員は公開平等の競争試験を経て採用されることが基本だと説明されています。

各府省がばらばらに試験をするのではなく、人事院が同じ条件で試験を行い、その結果を各府省が使う仕組みなんです。

だからこそ、試験の申込み先も合格発表も、どの府省を志望していても人事院に一本化されています。

人事院の窓口は全国にあります

人事院には、北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国・九州の地方事務局と、沖縄事務所があります。

受験案内では、これらが試験の問合せ先や名簿の管理を受け持つことが書かれています。

一般職(高卒者・社会人)の事務区分と技術区分の名簿は、人事院の各地方事務局(所)が管理しています。

インターネット申込みについての問合せ先は、人事院人材局試験課です。

窓口主な役割
人事院人材局試験課インターネット申込みの問合せ
地方事務局(8か所)地域ごとの試験の問合せ、名簿の管理
沖縄事務所沖縄地域の試験の問合せ、名簿の管理

試験全体の種類は国家公務員試験とはでまとめています。

申込みから採用まで、誰が何をする?

先に結論

試験に関わることは人事院、採用に関わることは各府省、と分けて考えるとすっきりします。受験者はその間で、申込み・受験・官庁訪問・意向届の提出を行います。

『人事院と省庁、どっちに何を聞けばいいの?』と迷う方のために、流れの順に役割を並べてみました。

ここでは2026年度(令和8年度)の一般職(大卒程度)を例にしています。

申込みから採用までの人事院・各府省・受験者の役割分担を示した図解
時期(2026年度の例)人事院各府省受験者
2月2日受験案内を公表受験案内を読む
2月19日〜3月23日インターネットで申込みを受け付ける申し込む
5月31日第1次試験を行う受験する
6月24日第1次合格を発表結果を確かめる
6月25日〜官庁訪問の事前予約を受け付ける予約をする
7月2日以降官庁訪問で面接などを行う官庁訪問をする
7月8日〜7月24日第2次試験(人物試験)を行う(官庁訪問は休止)人物試験を受ける
8月12日最終合格を発表、名簿を作る内々定を出す意向届を出す
10月1日以降内定を出す1つの省庁を選ぶ

日程は年度ごとに変わるので、最新は人事院の国家公務員試験採用情報NAVIで確かめてみてください。

人事院面接と官庁訪問は別ものです

ここが一番混乱しやすいところですよね。

いわゆる「人事院面接」は、第2次試験の人物試験のことで、人事院が行う試験の一部です。

一方の官庁訪問は、受験者が志望する省庁を訪ねて業務説明や面接を受けるもので、民間企業でいう採用選考活動にあたります。

人事院の官庁訪問Q&Aでは、官庁訪問と採用試験はまったく別のプロセスで、官庁訪問の結果が試験の判定に影響することはないと説明されています。

人事院が行う人物試験と各府省が行う官庁訪問の違いを比べた図解
人物試験(人事院面接)
  • 人事院が行う第2次試験
  • 人柄や対人的能力などを見る
  • 結果は最終合格の判定に使われる
官庁訪問
  • 各府省が行う採用選考
  • 業務説明や面接を受ける
  • 結果は試験の判定に影響しない

官庁訪問のルールは誰が決める?

官庁訪問の開始日や内々定の解禁日などのルールは、毎年度「各省庁人事担当課長会議申合せ」で決められます。

2026年度(令和8年度)は、2026年2月25日の申合せでした。

人事院はこのルールの概要を公式ページに載せていて、受験者はそこで日程を確かめられます。

例えば総合職(春)では、内々定の解禁は6月22日(月)15時以降とされていました。

『省庁ごとにルールが違うのでは?』と心配な方も、まずはこの共通のルールを押さえておくと動きやすくなりますよ。

最終合格の後に届け出る「意向届」

最終合格発表日以降、受験者は意向届オンラインシステムから意向届を出します。

意向届は、内定や内々定、辞退、採用時期の延期などを人事院に届け出るものです。

採用は府省が決めますが、その状況は人事院にも伝える、という仕組みになっています。

採用までの流れは最終合格から内定・採用までで詳しく書いています。

人事院が行わない公務員試験もあります

先に結論

国の職員でも、国会職員・裁判所職員・外務省専門職員・自衛官の採用試験は、人事院ではなくそれぞれの機関が行います。地方公務員の試験も、都道府県・市町村が行います。

『国の仕事なら全部人事院の試験』と思っていると、志望先の情報を見落としてしまうことも。

人事院のQ&Aでは、次の試験はそれぞれの試験実施機関や地方公共団体に問い合わせるよう書かれています。

試験問い合わせ先
国会職員の採用試験各試験実施機関
裁判所職員の採用試験各試験実施機関
外務省専門職員採用試験外務省
自衛官の採用試験各試験実施機関
都道府県・市町村の職員の採用試験各地方公共団体

一般職か特別職かを決めるのも人事院です

国家公務員の職は、一般職と特別職に分かれます。

国家公務員法第2条では、ある職が一般職か特別職かを決める権限を人事院が持つと定めています。

人事院の採用試験は一般職の国家公務員の試験で、裁判所職員や国会職員などの特別職は別の機関の試験です。

特別職の考え方は特別職の国家公務員でまとめています。

補足

人事院が公表する国家公務員試験の受験案内やQ&Aは、人事院の公式サイトの「国家公務員試験採用情報NAVI」にまとまっています。当サイトは人事院の公式サイトではないので、手続きの最新情報は公式ページで確かめてください。

人事院が公表している情報の使い方

先に結論

人事院は、受験案内のほかに、正答番号や合格点・平均点、実施状況(申込者数や最終合格者数)を公表しています。自分の成績はパーソナルレコードで見られます。

人事院の公式ページには、受験生が使える情報がたくさんあります。

『どこを見ればいいのか分からない』という方は、次のチェックリストを使ってみてください。

人事院のページで確かめたいこと
  • 受けたい試験の受験案内(受験資格・日程・試験科目)
  • 過去の試験の正答番号と、合格点・平均点
  • 申込者数や最終合格者数がのった実施状況の資料
  • 官庁訪問のルールや各府省の説明会の情報
  • パーソナルレコードでの受験票や合格通知書のダウンロード期間

パーソナルレコードでできること

人事院のインターネット申込みでは、パーソナルレコードという個人のページを使います。

ここで申込み内容の確認、受験票や合格通知書のダウンロード、個人の試験結果の確認ができます。

合格通知書は郵送やメールでは届かず、期間内にダウンロードする形で、再発行もできません。

2026年度(令和8年度)の一般職(大卒程度)では、個人の試験結果を9月2日〜11月2日に閲覧できました。

『合格通知はいつか届くだろう』と待っていると見逃してしまうので、期間をメモしておきましょう。

申込みの手順は国家公務員試験の申込み方法で詳しく書いています。

合格者の決め方も公表されています

一般職(大卒程度)の合格者は、各試験種目の得点を合計して決めます。

得点は素点ではなく、平均点や標準偏差を使って出す「標準点」です。

基準点に届かない種目が1つでもあると、ほかの種目の成績にかかわらず不合格になります。

例えば、友達とこんな会話になることもありますよね。

「専門で高得点だったから、人物試験はなんとかなるよね?」
「人物試験にも基準があるから、そこは油断できないよ」

人事院と国家公務員試験でよくある相談

先に結論

相談で多いのは、人事院面接の評価と、人事院面接と官庁訪問の関係についてです。どちらも人事院の公表資料で確かめられます。

知恵袋などでよく見かける相談を要約して、公式の情報をもとに答えていきます。

相談1:人事院面接は、練習なしだとE評価になる?

『何も練習しないで面接に行ったら、E評価になってしまうの?』という相談です。

一般職(大卒程度)の人物試験はA〜Eの5段階で評価され、Dが基準で、E評価は不合格です。

人物試験では人柄や対人的能力などが見られます。

練習しただけで評価が決まるわけではありませんが、自分の考えを落ち着いて話せるよう準備しておくと安心です。

面接の中身は二次試験(人物試験)と官庁訪問で詳しく書いています。

相談2:人事院面接の後に、初めて訪問する省庁に行ける?

『人事院面接の前に行かなかった省庁に、面接の後で初めて訪問してもいい?』という相談もあります。

2026年度(令和8年度)の一般職(大卒程度)では、7月8日〜7月26日は第2次試験の期間として官庁訪問が禁止され、7月27日から再開されました。

内々定の解禁日以降も、採用予定数に達していない省庁は官庁訪問を受け付ける場合があります。

例えば、こんなやりとりになることもありますよね。

「面接の前は2つの省庁しか回れなかったんだ」
「再開日からなら、ほかの省庁にも訪問できるか確かめてみたら?」

訪問できるかどうかは省庁ごとに違うので、志望する省庁の採用ページで確かめてみてください。

相談3:人事院面接に通った後、官庁訪問で落ちることはある?

『最終合格したのに、どこにも採用されないことってあるの?』という不安の声です。

最終合格者数は採用予定数より多いので、最終合格しても官庁訪問の結果によっては採用に至らないことがあります。

ただ、過年度の最終合格者も名簿の有効期間内なら、試験を受け直さずに官庁訪問に参加できます。

相談から分かるポイント
  • 人物試験は人事院、官庁訪問は各府省が行う
  • 官庁訪問の休止期間と再開日を確かめておく
  • 名簿の有効期間内なら、次の年度の官庁訪問にも参加できる

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よくある質問

国家公務員試験は人事院が採用まで決めるのですか?

人事院は試験を行って合格者を決め、採用候補者名簿を作ります。採用するかどうかは、官庁訪問などを経て各府省が決めます。

人事院面接とは何ですか?

第2次試験の人物試験のことで、人事院が行う試験の一部です。一般職(大卒程度)ではA〜Eの5段階で評価され、E評価は不合格です。

裁判所事務官の試験も人事院が行っていますか?

行っていません。裁判所職員や国会職員、外務省専門職員、自衛官の採用試験は、それぞれの機関が行います。

人事院への問い合わせはどこにすればいいですか?

試験の問合せ先は受験案内に書かれている地方事務局などです。インターネット申込みについては人事院人材局試験課が問合せ先になっています。

まとめ

この記事の要点
  • 人事院は国家公務員採用試験を行い、合格者を決めて名簿を作る
  • 誰を採用するかは、官庁訪問などを経て各府省が決める
  • 人事院面接は試験の一部、官庁訪問は府省の採用選考で別もの
  • 国会職員・裁判所職員・外務省専門職員・自衛官の試験は別の機関が行う
  • 正答番号や合格点・平均点、実施状況は人事院が公表している
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国家公務員試験.com 編集部

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