国家公務員試験の総合職とは?キャリアの仕事と試験の特徴

国家公務員試験の総合職の仕事と試験の特徴を解説する記事のアイキャッチ

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『国家公務員試験の総合職って、難しそうだし自分には関係ないかも』と感じていませんか。

結論から言うと、総合職は政策の企画立案を担う職員を採用する試験で、2026年度からは大学1年生の3月から受けられる区分もあります。

この記事では、総合職の仕事と試験の特徴、そして自分が何回チャンスを持てるのかが分かります。

目次

国家公務員試験の総合職とは?どんな仕事をするの?

先に結論

総合職試験は、政策の企画及び立案、調査及び研究に関する事務を担う係員を採用する試験です。法律や予算、制度づくりなど、国の政策の上流に関わる仕事が中心になります。

国家公務員試験の総合職は、人事院が行う4種類の試験の1つです。

一般職が「政策の実行やフォローアップ」を担うのに対して、総合職は「政策の企画立案」を担う、と人事院は説明しています。

「キャリア」と呼ばれるのはなぜ?

総合職で採用された人は、世間では「キャリア」と呼ばれることがありますよね。

ただ、これは人事院の正式な用語ではありません。国家公務員試験のキャリアという言い方を見かけたら、総合職試験のことだと読み替えておけば大丈夫です。

昔の試験名で「上級」や「Ⅰ種」と書かれた情報もあります。旧試験名との関係は国家公務員試験の上級・1種とはで解説しています。

試験の区分はとても多いです

総合職試験は、院卒者試験と大卒程度試験に分かれ、さらに専攻ごとの区分があります。2026年度(令和8年度)の受験案内の区分は次のとおりです。

試験区分
院卒者試験行政、人間科学、デジタル、工学、数理科学・物理・地球科学、化学・生物・薬学、農業科学・水産、農業農村工学、森林・自然環境
大卒程度試験政治・国際・人文、法律、経済、人間科学、デジタル、工学、数理科学・物理・地球科学、化学・生物・薬学、農業科学・水産、農業農村工学、森林・自然環境、教養

法律や経済だけでなく、工学や化学などの理系の区分もたくさんあるんです。理系の方の区分選びは理系の国家公務員試験で詳しく書いています。

採用の規模の目安

2025年度の総合職試験の合格者のうち、2026年(令和8年)4月1日までに採用された人は合計915人でした。採用予定数は区分ごとに「約○名」と公表され、例えば2027年4月採用の大卒程度の工学区分は約105名、法律区分は約75名です。

教養区分は「専攻にとらわれない人」のための区分

大卒程度試験の中でも、教養区分は少し性格が違います。

人事院の説明では、専攻分野にとらわれない幅広い見識を持つ学生や、外国の大学を卒業した人など、多様な人材を確保するための区分です。

そのため専門試験は課されず、企画立案の基礎的な能力を確かめる「総合論文試験」と「企画提案試験」が中心になります。『法律も経済も勉強していないから総合職は無理』と思っていた方にも、入り口が用意されているんです。

区分2027年4月採用の採用予定数(2026年2月現在)
院卒者 行政約60名
院卒者 工学約75名
大卒程度 政治・国際・人文約65名
大卒程度 経済約30名
大卒程度 教養(2026年度春試験から)約50名

教養区分は、過年度の合格者を含めると2027年4月採用の予定が約240名とされています。

総合職の受け方は3つ、大学1年生の3月からチャンスがあります

先に結論

総合職の受け方は「院卒者試験」「大卒程度試験」「大卒程度試験の教養区分」の3つです。教養区分は2026年度から春と秋の年2回になり、大学4年生までに総合職試験を受けられる回数は最大6回になりました。

ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。

『総合職は大学4年生の春に1回勝負』と思っている方も多いはずです。実は今は、もっと早く、何度も挑戦できる仕組みになっています。

3つの受け方の受験機会マップ

2026年度の受験案内と変更点をもとに、3つの受け方を並べてみました。

受け方いつ受けられる?受験資格(2026年度)専門試験名簿の有効期間
教養区分春(3月)と秋(10月)の年2回。大学1年生の3月から1996年4月2日から2007年4月1日生まれ などなし(総合論文・企画提案など)7年
大卒程度(教養区分以外)春(3月)の年1回1996年4月2日から2005年4月1日生まれ(学歴不問)などあり5年
院卒者試験春(3月)の年1回1996年4月2日以降生まれで、修士課程などを修了(見込み)あり5年

教養区分の秋試験は、2026年度は10月4日(日)が第1次試験でした。春は3月15日(日)で、院卒者試験・大卒程度試験と同じ日です。

総合職の3つの受け方と、大学1年生の3月から受けられる受験機会のマップの図解

学年ごとに、どの受け方を考えればいい?

いまの学年考えたい受け方ポイント
大学1年生(3月以降)教養区分(春)専門科目を学ぶ前でも受けられる
大学2年生・3年生教養区分(春・秋)合格すれば名簿は7年有効
大学4年生・既卒大卒程度の専門区分、または教養区分専攻を活かすなら専門区分
大学院生院卒者試験受験資格があれば院卒者試験が推奨されている

例えば、こんな会話を想像してみてください。

「教養区分に大学3年で受かったら、すぐ働かないといけないの?」
「名簿は7年あるから、採用されたい年の前の年に官庁訪問すればいいんだよ」

人事院の説明では、学部3年で教養区分に合格して翌々年度4月の採用を希望する場合は、翌年度の夏の官庁訪問に参加する流れになります。

院卒者試験と大卒程度試験は両方受けられません

院卒者試験と大卒程度試験は第1次試験が同じ日です。院卒者試験の受験資格がある人には、院卒者試験の受験がすすめられています。院卒者試験に合格しても、修士課程などを修了できなかった場合は採用されないことがあります。

大卒程度試験は「大学を出ていなくても」受けられます

「大卒程度」は、大学卒業レベルの問題が出るという意味です。

2026年度の大卒程度試験(教養区分以外)は、1996年4月2日から2005年4月1日生まれなら学歴に関係なく受けられました。2005年4月2日以降に生まれた人は、大学(短大を除く)を卒業(見込み)していることなどが条件です。

受験できない人の条件

日本の国籍を持たない人や、国家公務員法第38条に当てはまる人は、どの試験も受けられません。細かい条件は受験案内で確認しておきましょう。

総合職試験の中身は?一般職との違いが出るところ

先に結論

総合職(大卒程度・教養区分以外)は、第1次で基礎能力試験と専門試験(多肢選択式)、第2次で専門試験(記述式)・政策論文試験・人物試験を受けます。英語の外部試験スコアによる加点もあります。

総合職国家公務員試験のいちばんの特徴は、第2次試験にも筆記があることです。

2026年度の受験案内をもとに、大卒程度試験の中身を見てみましょう。

段階種目中身配点比率
第1次基礎能力試験30題・2時間20分(知能24題・知識6題)2/15
第1次専門試験(多肢選択式)40題・3時間30分3/15
第2次専門試験(記述式)2題・3時間5/15
第2次政策論文試験1題・2時間2/15
第2次人物試験個別面接3/15
第2次英語試験外部試験のスコアで15点か25点を加算加点

配点比率を見ると、記述式の専門試験がいちばん重いんです。知識を覚えるだけでなく、自分の言葉で書く練習が欠かせません。

区分によって専門科目はこんなに違います

区分専門試験(多肢選択式)の中身
法律49題出題40題解答。憲法7題・行政法12題・民法12題が必須、ほかに商法・刑法・労働法・国際法・経済学・財政学から選択
経済46題出題40題解答。経済理論16題・財政学・経済政策5題・経済事情5題・統計学・計量経済学5題が必須
政治・国際・人文コースA(政治・国際系)とコースB(人文系)から選ぶ。人文系では思想・哲学、歴史学、文学・芸術などが出題

政治・国際・人文区分は2024年度に新しくできた区分です。文学部や史学科の方も、専攻を活かして総合職を目指せるようになりました。

院卒者試験と教養区分の中身

院卒者試験は、第2次に記述式の専門試験のほか、政策課題討議試験(おおむね1時間30分)と人物試験があります。

教養区分は専門試験がなく、第1次で基礎能力試験と総合論文試験、第2次で企画提案試験と政策課題討議試験、人物試験を受けます。企画提案試験では、政策の概要を説明する紙を作ってプレゼンテーションと質疑応答を行うんです。

区分を決める前に確認したいこと
  • 専攻を活かせる区分があるかを受験案内で見る
  • 記述式の専門試験2題に対応できそうかを考える
  • 教養区分なら、論文とプレゼンの練習時間を取れるかを考える
  • 英語の外部試験のスコアを持っているかを確認する

一次試験の勉強の進め方は国家公務員試験の一次試験で解説しています。

基礎能力試験は2024年度から短くなりました

春の大卒程度試験の基礎能力試験は、2024年度から出題数が40題から30題に減りました。知識分野は時事問題が中心です。

解答時間も、総合職は3時間から2時間20分に短くなっています。2022年度や2023年度の古い問題集や体験談を参考にする時は、この変更前の情報かどうかを確かめておきましょう。

総合職の日程・倍率と、官庁訪問の流れ

先に結論

2026年度の総合職(春)は、3月15日に第1次試験、5月29日に最終合格発表でした。2025年度の倍率(申込者数÷最終合格者数)は、大卒程度(教養区分除く)9.3倍、院卒者2.0倍、教養区分13.9倍です。

まずは2026年度(令和8年度)の総合職(春)の流れを見てみましょう。

段階日程(2026年度)
申込受付2月2日(月)から2月24日(火)
第1次試験3月15日(日)
第1次合格発表3月30日(月)
第2次試験(筆記)4月12日(日)
第2次試験(人物)大卒程度は4月20日から5月15日、院卒者は5月7日から5月15日
最終合格発表5月29日(金)

2027年の春の試験は前倒しになり、総合職の第1次試験は2月28日(日)、最終合格発表は5月下旬と発表されています。申込期間は2026年11月中旬をめどに公表予定なので、最新は人事院の国家公務員試験採用情報NAVIで確認してみてください。

倍率は2種類の数字で見ます

試験2025年度 申込者数÷最終合格者数2025年度 第1次受験者数÷最終合格者数2026年度 申込者数÷最終合格者数
院卒者試験2.0倍1.6倍2.0倍
大卒程度(教養区分除く)9.3倍7.8倍7.0倍
教養区分13.9倍9.2倍14.7倍(春のみ)

出典は人事院の「国家公務員採用試験実施状況」です。2026年度の教養区分は秋試験が進行中なので、春の数字だけを載せています。

最終合格のあとは官庁訪問

総合職は、最終合格しただけでは採用になりません。最終合格のあと、志望する省庁を訪ねて面接を受ける「官庁訪問」があります。

2026年度の総合職(春)の官庁訪問
  1. 6月1日から6月9日に事前予約をする(1日1省庁)
  2. 6月10日から第1クール(3日間)が始まる
  3. 第2クール、第3クール、第4クールと続く
  4. 6月22日15時以降に内々定が解禁される

第1クールは、希望すればオンラインで面接を受けられます。人物試験と官庁訪問の準備は国家公務員試験の二次試験で詳しく紹介しています。

官庁訪問の前に知っておきたいこと
  • 業務説明会への参加は任意で、参加しなくても不利にならない
  • インターンシップに参加していなくても不利に扱われない
  • 名簿の有効期間内なら、過年度の合格者も官庁訪問に参加できる
  • 内定は1つの省庁からしか受けられない

『説明会に行けなかったからもう遅い?』と心配する必要はありません。人事院の官庁訪問Q&Aでも、そうした点で不利にならないと説明されています。

総合職(春)の試験から官庁訪問・内々定までの流れの図解

初任給の例

2026年(令和8年)4月1日現在・東京都特別区内勤務の行政職の例で、総合職(大卒程度)は290,400円、総合職(院卒者)は306,720円です。本府省で採用された場合は、本府省業務調整手当などを含めて総合職(大卒)が301,200円になります。

総合職を目指す人によくある相談

先に結論

よく見かけるのは「教養区分の1次のボーダーは何点?」「総合職と一般職はどう違う?」「大学院に進む予定だけど、いつ受ければいい?」という相談です。

相談1 教養区分の第1次試験のボーダーはどのくらい?

『自己採点したけど、通っているか分からない』と不安になりますよね。

人事院は、合格点と平均点を試験ごとに「合格点及び平均点等の公表」のページで公表しています。ただ、この記事では区分ごとの点数は載せていません。

年度によって問題も受験者も変わるので、ネット上の「○点ならボーダー」という話は目安にしかなりません。発表を待つ間は、第2次試験の準備を進めておくのがおすすめです。

ちなみに、公表されている合格点や平均点は年度と区分ごとに違います。過去の数字を参考にする時は、どの年度のどの区分の数字なのかを確かめておくことが大事なんです。

相談2 総合職と一般職はどう違うの?

いちばんの違いは仕事の役割です。総合職は政策の企画立案、一般職は政策の実行やフォローアップを担います。

試験も、総合職は第2次に記述式の専門試験や政策論文がありますが、一般職(大卒程度)の第2次は人物試験だけです。詳しくは国家公務員試験の総合職と一般職の違いで比べています。

相談3 大学院を修了する年に合わせて、いつ受ければいい?

院卒者試験は、大学院の修士課程などを修了した人と、修了見込みの人が受けられます。2026年度なら、2027年3月までに修了見込みの人が対象でした。

一方、学部生のうちに総合職に合格して、修士修了後に採用してもらうように延期する方法もあります。ただし、採用を延ばしても名簿の有効期間は変わらない点には注意しておきましょう。

独学でいくか、講座を使うか

先に結論

総合職は記述式の専門試験や政策論文、政策課題討議など、自分一人では仕上がりを確かめにくい種目が多い試験です。どこを独学で進め、どこで人の手を借りるかを決めておくと迷いが減ります。

『総合職を独学で目指すのは無謀かな?』と悩む方もいますよね。

人事院は過去の試験問題や正答番号を公開しているので、基礎能力試験や多肢選択式の専門試験は独学でも進めやすいです。

種目独学で進めやすさ講座が役立つ場面
基礎能力試験過去問で練習しやすい苦手な数的処理の解き方を教わる
専門試験(多肢選択式)教科書と過去問で進められる憲法・民法・経済学を初めて学ぶ時
専門試験(記述式)・政策論文答案の良し悪しが自分で分かりにくい添削で書き方を直せる
人物試験・政策課題討議練習相手が見つかりにくい模擬面接や討議の練習ができる

講座を使うなら、ここを確かめておきましょう

講座の名前に「国家公務員」と入っていても、総合職のどの区分に対応しているかは講座ごとに違います。

講座を比べる時の確認リスト
  • 志望する総合職の区分(法律・経済・教養など)に対応しているか
  • 記述式の専門試験や政策論文の添削があるか
  • 人物試験や官庁訪問の面接練習があるか
  • 2027年の前倒し日程に合わせた計画になっているか
  • 通学とオンラインのどちらで受けられるか

資料請求や説明会で、こうした点を確かめてみてください。費用やサポートの中身を並べて比べると、自分に合うかどうかが見えてきますよ。

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よくある質問

国家公務員試験の総合職は何歳から受けられますか?

2026年度から、大卒程度試験の教養区分は「19歳の春(大学1年生の3月)」から受けられるようになりました。教養区分以外の大卒程度試験は、1996年4月2日から2005年4月1日生まれなら学歴に関係なく受けられます(2026年度)。

総合職試験は年に何回ありますか?

院卒者試験と大卒程度試験(教養区分以外)は春の年1回です。教養区分は2026年度から春と秋の年2回になりました。

総合職と一般職は併願できますか?

第1次試験の日が重ならなければ併願できます。2026年度は総合職(春)が3月15日、一般職(大卒程度)が5月31日で別の日でした。

英語の資格がないと総合職は受けられませんか?

受けられます。英語試験は外部試験のスコアに応じて総得点に15点か25点を加える仕組みで、スコアがなくても受験はできます。

総合職に合格すれば希望の省庁に入れますか?

最終合格は採用ではありません。官庁訪問で志望する省庁の面接を受け、内々定をもらう必要があります。

まとめ

この記事の要点
  • 総合職は政策の企画立案を担う職員を採用する試験
  • 受け方は院卒者試験・大卒程度試験・教養区分の3つ
  • 教養区分は春と秋の年2回、大学1年生の3月から受けられる
  • 第2次にも記述式の専門試験や政策論文がある
  • 最終合格のあと官庁訪問を経て内々定が決まる

総合職を目指すなら、まずは自分がどの受け方で、いつから挑戦できるかを書き出してみてください。

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国家公務員試験.com 編集部

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